今回はただの雑記だよ
その記事の立場上、そのような重要な場所の誤植は恥ずかしいですよ
（2014/02/13 19:30ぐらいに誤植が修正されたのを確認しました）
放射能は微生物では消せません 日経トレンディネット
今回のテーマ：
放射能とは、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などの放射線を出す物質の性質のことだ。放射能を出す性質を持っている物質が、放射性物質。この放射性物質を除去できる微生物は存在しえるのだろうか？
「放射能とは、……性質のことだ。」うんそうだね。「放射能を出す性質を持っている物質が、……」え？ 性質を出す性質？ もうここで読む気なくなった。 / “放射能は微生物では消せません 日経トレンディネット” http://t.co/Gnei33ilVO
— hevohevo (@hevohevo) 2014, 2月 13「放射能」を出す性質ってなんぞｗ 「放射線」でしょう。
記事の先頭一番目立つところ。前提となる「言葉の定義」部分でこんな誤植はひどいから！
もし僕が書くならこうかな？
今回のテーマ：
放射能とは、アルファ線、ベータ線、ガンマ線などの「放射線を出す能力」のことだ。物質が能力を持つというと少し変なので「放射線を出す性質」と言い換えてみよう。このような放射線を出す性質（能力）を持っている物質が「放射性物質」である。
この放射性物質を除去できる微生物は存在しえるのだろうか？
僕は、「放射能」「放射線」「放射性物質」の区別をつけられない人の主張する「理論」や「論説」は聞くに値しないと思っています。
そのような初歩的なレベルで間違えている人がどれだけトンデモ主張を行うか、娯楽として見ることはあっても、そこから価値ある情報を得ることはないと経験的に知っているからです。
この記事のライターである松浦晋也氏は、質の高い文章を書く、個人的には尊敬するジャーナリストです（作家としても大好き！）。
だから、このような初歩的な誤植を松浦氏が残してしまうことはありえないと確信しています。
実際に、この見出し部分を除いた記事本体はわかりやすく、とても良い内容だし（遠まわしに言わず、EMの名前出しちゃいなよ！ とは思ったけれど）。
見出し文章を付け加えたのはおそらくこのテーマの企画を立てた日経BPの担当記者でしょう。
見出しの誤植で、初っ端から脱力感を与えるのはちょっとひどい。
というわけで、急いで誤植修正を希望します！
（2014/02/13 19:30ぐらいに修正されたのを確認しました）
でも、はてブで、「それくらいの誤字」と言う人多いなぁ
この記事のばてブ
良い記事だからこそ直してほしい箇所を指摘したけれど。さすがに言葉選びが過激すぎたかな＞＜
「それくらい」と言う人がいますが「放射能 放射線 放射性物質の混同」は、昔から色々な場所で指摘されている大きな問題です。
イロハのイと言ってもいいくらい基本的な知識です。少なくとも科学ジャーナリズムにおいてそして科学的な議論をする上で、この混同は致命的であり、絶対にやってはいけないミスだと言い換えてもいいくらい。
だから、松浦氏ならば、見出しかつ言葉の定義部分という、記事の前提となるような場所でこのような誤植を見落とすはずがない*1。そのため、担当記者の問題だと私は確信しています。
この記事の目的は、「放射能」という曖昧模糊とした印象的な語句から「放射性物質」へと読者の意識を向けることにあります。放射能という漠然とした悪ではなく、その正体は放射性物質という実体であり、その物質を取り除くことの難しさを、理論と常識を元に真摯に説いているわけです。
そこで、前提の語句にやってはいけない恥ずかしい誤植。
このがっかり具合がわかりますでしょうか。
たとえばこれが一般人が書いたただの日記だったら、何も言わないんだけどね。
理論の緻密さで勝負しようとする記事で、やってはいけない誤植をやってはいけない箇所でみつけてしまったので悲しくなったのですよ。
でも、「読む気なくなった」は言い過ぎだったかも、過激な言葉はよくないね。気を付けます。
え？ 記事の感想はどうしたって？ 間違いなく良記事なので絶対に読むべき。
周りでEM菌が放射能がと言い始めたら有無を言わせずこの記事読ませましょう。
知り合いの学校関係者の方に話題として振ってみるかな、盛り上がるかも。
余談
なお余談ですが、
（誤植じゃなく）本気で間違えて放射能って書いちゃう新聞記者・ジャーナリストは絶滅してしまえばいいのに思うと同時に、間違える人がいなくなったら僕が著者の属性を判断するための基準がなくなって困るなとも思う。
ちなみに、僕の判断基準の一例
- 「放射能、放射線、放射性物質を混同している主張」→ 放射脳
- 「マルチではありません。法律には触れません」→マルチ
- 「実用新案登録出願中」→ 出願しただけー
- 「ここ進研ゼミでやったとこだ！」→ やってません
*1:もちろん、本文内でミスしてそれを見落としする可能性はあるかもしれないが。見出しではありえない
